ドクターおはげさん

薄毛と戦う現役内科医の記録

AGAはどうやって治療するの?

AGA治療について

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

今回はAGAの治療方法についてお話していきます。

読むのが面倒な人はまとめだけ読んでくださいませ!

 



AGA治療の大枠

AGA=男性型脱毛症のメインとなる治療は大きく分けて内服、塗布薬での薬剤での治療と外科的な治療となります。

内服、塗布薬による治療はフィナステリドデュタステリドというAGAの原因となるホルモンの代謝に直接働きかける薬と、ミノキシジルという発毛を促進する薬剤での治療がメインです。

外科的な治療としてはいわゆる植毛となります。

とりあえず治療のメインは下記の3種類と抑えといてください。


・フィナステリド or デュタステリド
ミノキシジル
・植毛

その他にもうっすらとエビデンスのある治療や再生医療方面での治療法などもありますが、まずはメインとなる上記治療を説明していきます!

フィナステリド、デュタステリド

まず、進行度によらずAGA治療のメインとなるのがフィナステリド、デュタステリドという薬剤です。

AGAは「AGAはどうやって起きてるの?」の記事でお伝えした通り、男性ホルモンの1種のテストステロンが5α-リダクターゼという酵素の作用によってジヒドロテストステロンという物質に代わって、それが悪さすることで髪の毛が弱くなっていくという機序が働いています。

↓「AGAはどうやって起きてるの?」↓

www.yutori-doctor.com

 

フィナステリド、デュタステリドはテストステロンに構造が似ているので、5α-リダクターゼに代わりに結合することで、テストステロンがジヒドロテストステロンになるのを邪魔するんですね。

それによってAGAの原因であるホルモンの代謝に直接作用してAGAの進行を抑制します。

髪の毛をいくら生やそうとしても、このホルモン代謝が存在している限りは髪の毛が抜けていってしまうので意味はありません。

そういう意味でフィナステリド、デュタステリドはAGA治療のメインとなりうるのです。

ミノキシジル

次に薬剤での治療のもう一つの軸となるのがミノキシジルです。

ミノキシジルは前回の記事でお伝えした通り、世界で初めて臨床的にエビデンスのある育毛剤として許認可を受けた薬です。

 

前回の記事↓

www.yutori-doctor.com


もともとは高血圧の治療薬として用いられていた薬剤ですが、その副作用として多毛の副作用が認められたためそれが転用されて育毛剤として使われるようになりました。

血管拡張作用のある薬なので、かつては血管を拡張して血流を改善することで薄毛の改善に寄与すると考えられていましたが、実際のところそれ以外にも毛包細胞のカリウムチャンネルの活性化や、成長因子の産生を促進することで毛周期を制御したり、アンドロゲンレセプターに直接作用することで、抗アンドロゲン作用を持つことも知られてきています。

ミノキシジルには内服薬と外用薬(塗り薬)がありますが、世界的に見てもメインで治療に使われているのは塗布薬となります。

というのも、外用薬と比較して内服が明確に効果的というエビデンスに乏しいわりに、内服だと心負荷によって動機、息切れ、心不全などの重大な副作用を生じるリスクがあるためです。

僕の臨床経験上としては外用薬よりも内服薬のほうがやはり効果は強い印象がありますし、周りでAGA治療に当たっている医師も同じような意見の医師が多いです。
実際外用薬で効果が乏しかった患者さんがそのほかの治療は変更せずにミノキシジルのみ内服に変更して改善を認めたりするケースもあります。

副作用に関しては確かに怖い部分はありますが、降圧剤としての服用であれば50mg程度の上限に対して、毛髪治療に用いる容量は大体5mg程度です。
副作用も作用も基本的には容量依存な部分が大いにありますので、ある程度慎重に経過を見れば副作用の頻度自体は高くないと考えています。

ただしやはりリスクはある治療ですので、ミノキシジルの内服は副作用のリスク等含めてしっかりと相談したうえで行われるべき治療だと思います。

その辺の副作用の部分をすっとばして、てきとーに機械的に内服薬を処方しているクリニックも散見されますし、そういうクリニックに限って謎の高額治療のアップセルをしがちですので、AGAのぼったクリニックを見抜く参考指標としてご注意いただければと思います(笑)

植毛

AGAに対する外科的治療としてはいわゆる植毛治療となります。

まず、植毛は人工毛植毛と自毛植毛がありますが、現在人工毛植毛は世界的にもほぼ行われていません。
日本でも一部のクリニックで行われているケースはあるようですが、人工毛は身体にとっては異物ですので、免疫反応で抜け落ちたり、感染や炎症を起こしやすいというリスクが高いものとなっています。

僕自身、医学知識を身に着ける前は自分の髪質が嫌いすぎて「自分の髪の毛移植するくらいだったら髪質がいい人工毛植えたほうがよくね?」って考えていたのですが、医学知識を身に着けたうえでいろいろ考えると圧倒的に自毛植毛のほうがリスクが低いし安全で、しっかりと薄毛の改善が望めると思います。

自毛植毛というのは読んで字のごとく、自分の髪の毛を植える治療になります。

「自分の髪の毛植えたら、またハゲるんじゃないの?」という点が懸念点になりそうですが、実際植えた毛髪に関して、AGAの進行はほぼないです。


というのも自毛植毛は、AGAによる影響を受けにくい後頭部の頭皮からドナーとして毛包を採取しますので、適切な部位から採取して移植した毛髪に関してはAGAの影響がほぼ出ないのです。

手術なので頭皮に傷をつけることにはなりますが、手術の中ではかなり低侵襲(体への負担は少ない)手術にはなります。

ただし基本的には頭皮の毛髪の総数は限られているので、個人個人で移植できる本数の限界がある程度決まっています。

その限界量の中でAGAが進行した頭皮の面積を埋めていくことになるので、しっかりと綿密な計算のもとでの手術が必要になります。

手術の方法としては主にFUT法、FUE法という風に分けられますが、まぁ細かいお話はまたおいおいしていきます。

 

まとめ

・AGAの治療は薬物療法と外科治療に分けられる
薬物療法はフィナステリド or デュタステリドとミノキシジル
・フィナステリド、デュタステリドはAGA治療のベース
ミノキシジルは内服よりも外用薬(塗布薬)が推奨される
・外科治療は自毛植毛

 

当ブログのテーマ 

当ブログは実際にAGA治療を患者としても、医師としても実践しているDr. ハゲがリアルなAGA情報をお届けするブログです。

コンプレックスビジネスの闇と向き合い、市場の健全化をはかりながらコンプレックスの終着点を探していくことを目的としています。

当面の目標

色々と書いてきましたが、AGA患者としての立場から考えて、AGA治療は医学的なエビデンスの視点とコンプレックス要素によるQOLの視点という複合的な要素があるため非常に難しい医療だと感じています。
ただガイドラインに沿って薬を出すだけ、ましてやガイドラインにないエビデンスもろくにない高額な治療を、ろくな説明もせずに提供する悪徳なクリニックが多い中で患者さん側の需要をしっかりと満たせているクリニックがどれほどあるのかと考えてしまいます。

そんな中で業界の健全化をはかりたくて情報発信を始めました。


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