ドクターおはげさん

薄毛と戦う現役内科医の記録

薄毛の世界史 紀元前編 ~ハゲたくないなら金玉を取ろう~

人類と薄毛の戦いの歴史

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

今回はいつもと趣向を変えて、薄毛の歴史についてお話していこうと思います。

現代で薄毛に悩まれている方は僕も含めて大勢いらっしゃると思いますが、その人類の大きな悩みには、実は数千年前からの歴史があります。

太古の昔から髪型にはその人それぞれの個性があり、人間らしさや文明を想起させる強いメッセージ性や、イメージありました。

それゆえ昔の人々も、あらゆる功績を残してきた偉人たちでさえそのコンプレックスに悩み、戦ってきた歴史があるのです。


例えば人間性を奪う目的で、かの"ジャンヌダルク""マリーアントワネット"が処刑前に頭髪をそり落とされていたり、アウシュビッツに送られたユダヤ人が処刑前に頭髪をそり落とされたりしていた歴史からも、毛髪が示す人間性とそれを失っていくことへのコンプレックスがどれほどのものだったのか、想像に難くありません。


それではまずその歴史の始まり、紀元前のお話から始めていきましょう!

紀元前3000年頃

"人類 VS 薄毛"の歴史は紀元前にさかのぼります。



まずは紀元前3000年ころ、この時代は世界史的にはエジプトの初期王朝時代、シュメール文明の勃興、インダス文明の形成、日本史的には縄文時代の中期~後期にあたります。

そんな大昔の時代ですが、すでに薄毛や治療に関する医学的知識や神話が広まっていたという記録があります。

歴史上で目にするアッシリア人シュメール人クレタ人、カルタゴ人、ペルシャ人、ギリシャ人などの上流階級の間で、"かつら"が非常に流行しており、エジプトの労働者墓地から出土した男性の遺体の中には薄毛隠しのために羊毛で覆っているものが発見されている例もあるのです。

日本では土器を作り、弓矢や石器などで狩りをしていた時代から、人類が薄毛と格闘していたと聞くと感慨深いものがありますが、約5000年ほど経過した現在でもその治療法は完璧には確立されておらず、薄毛の人種が自然淘汰されていないというのもまた面白いですね。

また、この時代は治療というよりも薄毛をごまかすといった対策がメインで行われていたようです。

今も昔も薄毛は治すか隠すかという視点はあまりかわらないんですね。

紀元前1500年頃

紀元前1550年ころに書かれたといわれる、エジプトのルクソールで発見された"エベルス・パピルス"という世界最古の医学書にも抜け毛治療に関する情報が含まれていました。

(イメージ図)

酸化鉄、赤鉛、タマネギ、アラバスター、蜂蜜、ヘビ、ワニ、カバ、ライオンなどさまざまな動物の脂肪を混ぜ合わせたものを薄毛部分に塗って治療していたそうです。

治療というにはお粗末な印象を受けますが、現代の発展した医学知識や技術も何もない中で悪戦苦闘してひねり出した治療法だったのでしょう。

この薬は、太陽神に祈りを捧げた後に飲むものだったようなのですが、明らかに身体に悪そうですし、どういう根拠でこの調合を薬として使っていたのか少し興味深いですね。

エジプトにおいては先ほどの通り、紀元前3000年以前からも薄毛対策がなされていましたので

最も古くから薄毛と戦い続けてきたのはもしかしたらエジプト人なのかもしれません。

紀元前420年頃

そしてさらに約1000年ほど経過した紀元前420年頃、医学の祖とも言われたかの有名なヒポクラテスも薄毛の治療に手を付けていました。


ヒポクラテスは、アヘン、ワサビ、鳩の糞、など様々なスパイスを混ぜて治療ができると考えていたようです。

これもどういった根拠で治療に用いられていたのかは全く分かりませんし、鳩の糞を塗るなんて考えたくもありませんが、当時おそらく世界で一番発展した医療知識、技術をもってしても焼け石に水的な対処法しかなかったんですね。

ヒポクラテス自身も昔の肖像画等を参照すると典型的なAGAの髪型をしていますので、おそらくその治療法の開発にはかなり心血を注いだことが予想されます。

ただ、ヒポクラテスの発案した薄毛に対する対策は上記にとどまりません。


ヒポクラテスはおそらく人類で初めてAGAに対して外科的治療を提唱した人物なのです。


現代ではAGAに対する外科的治療は植毛での治療ですが、ヒポクラテスの提唱した外科的治療は




"去勢"





でした。



ヒポクラテスは、ペルシャ軍の宦官が禿げ上がっていない事実に基づき、男性ホルモンや性欲と薄毛との間に関連性を導き出したのです。

そして、禿げ上がった男性にその代償として、去勢することが抜け毛に対する究極の解決策になると提案したのです。


ヒポクラテスさん頭良さげなのですが、さすがにそれは・・・。


現代の医学から考えるととんでもなく恐ろしい話ですね。

でも僕自身も本気で薄毛に悩んでいた思春期時代は「ハゲるくらいなら金玉取ったほうがいいかもしれないなぁ」とか真剣に考えていた時期がありました。


コンプレックスって本当に恐ろしい。


ただ実際にヒポクラテス自身も去勢はしていない事実から鑑みるに

「薄毛治療をするために去勢をするというのはさすがに・・・」という考えの人のほうが多かったのかもしれませんね。

紀元前44年頃

そしてまた数百年の月日が経過した紀元前44年頃、古代ローマでは、髪は権力と男らしさの象徴とされていました。

その中で当時のローマの指導者であったユリウス・カエサルもAGAだったといわれています。

↑生え際がやや後退していますね

彼は男性型脱毛症に悩まされていたため、様々な医師を雇って治療法を探したそうです。

まぁ何せ権力と男らしさの象徴ですからね。

カエサルは、ネズミや馬の歯、熊の油、鹿などを混ぜたローションや薬を塗って治療を行っていましたが、一向に改善する気配はなく、月桂冠を被ることで薄毛隠しを行っていました。

 

月桂冠でのハゲ隠し

そして帝国が拡大するにつれて、月桂冠は髪ではない権力の象徴となっていきました。

権力者でさえ薄毛には抗えないというのは今も昔も変わりませんね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

人類と薄毛との戦いには数千年にわたる歴史があるんです。

現代社会ではある程度AGA治療のエビデンスも出てきており、しっかりとした治療薬も存在していますのでこの数千年の中で人類は大きく進歩したんだなぁと実感できますね。

次回はこの続きの人類 VS 薄毛の歴史をお話ししたいと思います。

当ブログのテーマ 

当ブログは実際にAGA治療を患者としても、医師としても実践しているDr. ハゲがリアルなAGA情報をお届けするブログです。

コンプレックスビジネスの闇と向き合い、市場の健全化をはかりながらコンプレックスの終着点を探していくことを目的としています。

当面の目標

色々と書いてきましたが、AGA患者としての立場から考えて、AGA治療は医学的なエビデンスの視点とコンプレックス要素によるQOLの視点という複合的な要素があるため非常に難しい医療だと感じています。
ただガイドラインに沿って薬を出すだけ、ましてやガイドラインにないエビデンスもろくにない高額な治療を、ろくな説明もせずに提供する悪徳なクリニックが多い中で患者さん側の需要をしっかりと満たせているクリニックがどれほどあるのかと考えてしまいます。

そんな中で業界の健全化をはかりたくて情報発信を始めました。


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