ドクターおはげさん

薄毛と戦う現役内科医の記録

薄毛の世界史 1900年代後半~現代まで ~AGA治療薬の誕生~

人類と薄毛の戦いの歴史

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

いよいよ今回は薄毛の世界史の最終回!

引き続き、人類と薄毛の戦いの歴史についてお話していきます。

前回の記事はこちら↓

 

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前回のまとめ

・西暦300年代頃~キリスト教によるかつらの糾弾により世の中から薄毛隠しの手段がなくなる
・西暦1000~1600年頃~イングランド王ヘンリー1世、フランスのルイ13世の影響によりかつら、ウィッグが流行。かつら泥棒が現れる。
・西暦1700年代頃~アメリカでもかつらが流行する
・西暦1800年代頃~多種多様な育毛剤(笑)の流行
・西暦1900年代前半~「帽子をかぶるとハゲる」という風説が流布する。産業革命により様々な薄毛治療機が開発される。
・西暦1939年~日本の皮膚科医、奥田正二先生が世界で初めて植毛のアイデアを検討

1900年代頃からようやく薄毛治療がしっかりと形になってきた感がありますね。
1900年代後半になってくるといよいよ本格的に薄毛に対して医学的な介入が入るようになります。

西暦1959年

この年代になってようやく医学による薄毛治療が日の目を浴び始めます。
そのきっかけは前回の最後に登場した奥田正二先生でした。

奥田正二先生は植毛のアイデアを世界で初めて提唱した人ですが、ノーマン・オレントライヒ医師というアメリカの医師が、奥田正二先生の理論を元に薄毛治療のために植毛の研究を進め、普及させました。

1961年までにノーマンは200件の移植を行い、1966年までに世界中でおよそ1万人の男性が植毛の治療を受けたと言われています。


こんな昔から植毛という技術は存在し、そこに救いを求める人がたくさんいたっていうのも驚きですよね。

現代においても植毛は手術になるので、二の足を踏んでしまう人が多い印象がありますが、1950~1960年代においてもそこ踏み切る人が大勢いたという事実がいかに薄毛のコンプレックスが強いものかを物語っていると思います

西暦1978年

この年、米国で臨床的にエビデンスがある最初の育毛剤が誕生しました。
ミノキシジルです。

ミノキシジルはこの以前から高血圧の治療薬として開発され、使用されていましたが、その副作用として多毛の作用があることが発見されたのです。

そしてさまざまな臨床試験が行われ、長い年月を経て、AGAの治療薬としての許認可がおりました。
その後、1988年になってミノキシジルローションはロゲインというブランド名で販売され始めます。

西暦1998年

1998年になると世界で2番目の臨床的にエビデンスがある育毛剤が誕生しました。
それがフィナステリドです。

また別の記事で治療に関しては説明しますが、フィナステリドはAGAの根本的な原因であるホルモンの代謝経路に作用することでAGAの進行を抑制させる薄毛治療の根幹ともなる薬です。

この錠剤により、脱毛の初期段階にある男性でも残っている髪をキープしたり、改善させることが可能になりました。

西暦2000年~現在

2000年以降、現在に至るまで明確に強いエビデンスのある新規の薄毛治療法はありません。
ただし、再生医療の分野で現在も多くの研究がなされています。
試験管内で人の生殖毛包細胞を増殖させ、それを頭皮に移植し、新しい毛包や新しい永久毛髪を成長させる技術や、成長因子の注入など、安全に今ある以上に毛包細胞を増やすことができれば単純にAGAで薄毛に悩む方以外にも応用できますからね。
早くそういった技術が実用化され、数多くの人がコンプレックスから解消されることを願うばかりです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

3回にわたって薄毛の世界史についてお話してきましたが、人類ははるか昔から薄毛と戦ってきたんですね。

 

 

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人は進化の過程で体毛を失ってきました。
それと同様に薄毛も進化の証という説もあったりなかったりしますが、やはりマイノリティかつ老化現象の一種でもあるため多くの人にとってはただのコンプレックスになってしまう現実があります。

そんな薄毛との戦いに終止符を打つ治療が完成し、「昔は薄毛で悩んでいる人が大勢いたんだよ」なんて笑い話にできる日が来るといいですね。

当ブログのテーマ 

当ブログは実際にAGA治療を患者としても、医師としても実践しているDr. ハゲがリアルなAGA情報をお届けするブログです。

コンプレックスビジネスの闇と向き合い、市場の健全化をはかりながらコンプレックスの終着点を探していくことを目的としています。

当面の目標

色々と書いてきましたが、AGA患者としての立場から考えて、AGA治療は医学的なエビデンスの視点とコンプレックス要素によるQOLの視点という複合的な要素があるため非常に難しい医療だと感じています。
ただガイドラインに沿って薬を出すだけ、ましてやガイドラインにないエビデンスもろくにない高額な治療を、ろくな説明もせずに提供する悪徳なクリニックが多い中で患者さん側の需要をしっかりと満たせているクリニックがどれほどあるのかと考えてしまいます。

そんな中で業界の健全化をはかりたくて情報発信を始めました。


読者の皆様に良い薄毛ライフが訪れることを願って活動させていただきますのでよろしくお願いいたします!

※当ブログでAGA治療を謳った商品のアフィリエイトやクリニックの宣伝を行うつもりは毛頭ありません。業者様からのご連絡はお断りいたします。

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