ドクターおはげさん

薄毛と戦う現役内科医の記録

AGAはどうやって治療するの?

AGA治療について

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

今回はAGAの治療方法についてお話していきます。

読むのが面倒な人はまとめだけ読んでくださいませ!

 



AGA治療の大枠

AGA=男性型脱毛症のメインとなる治療は大きく分けて内服、塗布薬での薬剤での治療と外科的な治療となります。

内服、塗布薬による治療はフィナステリドデュタステリドというAGAの原因となるホルモンの代謝に直接働きかける薬と、ミノキシジルという発毛を促進する薬剤での治療がメインです。

外科的な治療としてはいわゆる植毛となります。

とりあえず治療のメインは下記の3種類と抑えといてください。


・フィナステリド or デュタステリド
ミノキシジル
・植毛

その他にもうっすらとエビデンスのある治療や再生医療方面での治療法などもありますが、まずはメインとなる上記治療を説明していきます!

フィナステリド、デュタステリド

まず、進行度によらずAGA治療のメインとなるのがフィナステリド、デュタステリドという薬剤です。

AGAは「AGAはどうやって起きてるの?」の記事でお伝えした通り、男性ホルモンの1種のテストステロンが5α-リダクターゼという酵素の作用によってジヒドロテストステロンという物質に代わって、それが悪さすることで髪の毛が弱くなっていくという機序が働いています。

↓「AGAはどうやって起きてるの?」↓

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フィナステリド、デュタステリドはテストステロンに構造が似ているので、5α-リダクターゼに代わりに結合することで、テストステロンがジヒドロテストステロンになるのを邪魔するんですね。

それによってAGAの原因であるホルモンの代謝に直接作用してAGAの進行を抑制します。

髪の毛をいくら生やそうとしても、このホルモン代謝が存在している限りは髪の毛が抜けていってしまうので意味はありません。

そういう意味でフィナステリド、デュタステリドはAGA治療のメインとなりうるのです。

ミノキシジル

次に薬剤での治療のもう一つの軸となるのがミノキシジルです。

ミノキシジルは前回の記事でお伝えした通り、世界で初めて臨床的にエビデンスのある育毛剤として許認可を受けた薬です。

 

前回の記事↓

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もともとは高血圧の治療薬として用いられていた薬剤ですが、その副作用として多毛の副作用が認められたためそれが転用されて育毛剤として使われるようになりました。

血管拡張作用のある薬なので、かつては血管を拡張して血流を改善することで薄毛の改善に寄与すると考えられていましたが、実際のところそれ以外にも毛包細胞のカリウムチャンネルの活性化や、成長因子の産生を促進することで毛周期を制御したり、アンドロゲンレセプターに直接作用することで、抗アンドロゲン作用を持つことも知られてきています。

ミノキシジルには内服薬と外用薬(塗り薬)がありますが、世界的に見てもメインで治療に使われているのは塗布薬となります。

というのも、外用薬と比較して内服が明確に効果的というエビデンスに乏しいわりに、内服だと心負荷によって動機、息切れ、心不全などの重大な副作用を生じるリスクがあるためです。

僕の臨床経験上としては外用薬よりも内服薬のほうがやはり効果は強い印象がありますし、周りでAGA治療に当たっている医師も同じような意見の医師が多いです。
実際外用薬で効果が乏しかった患者さんがそのほかの治療は変更せずにミノキシジルのみ内服に変更して改善を認めたりするケースもあります。

副作用に関しては確かに怖い部分はありますが、降圧剤としての服用であれば50mg程度の上限に対して、毛髪治療に用いる容量は大体5mg程度です。
副作用も作用も基本的には容量依存な部分が大いにありますので、ある程度慎重に経過を見れば副作用の頻度自体は高くないと考えています。

ただしやはりリスクはある治療ですので、ミノキシジルの内服は副作用のリスク等含めてしっかりと相談したうえで行われるべき治療だと思います。

その辺の副作用の部分をすっとばして、てきとーに機械的に内服薬を処方しているクリニックも散見されますし、そういうクリニックに限って謎の高額治療のアップセルをしがちですので、AGAのぼったクリニックを見抜く参考指標としてご注意いただければと思います(笑)

植毛

AGAに対する外科的治療としてはいわゆる植毛治療となります。

まず、植毛は人工毛植毛と自毛植毛がありますが、現在人工毛植毛は世界的にもほぼ行われていません。
日本でも一部のクリニックで行われているケースはあるようですが、人工毛は身体にとっては異物ですので、免疫反応で抜け落ちたり、感染や炎症を起こしやすいというリスクが高いものとなっています。

僕自身、医学知識を身に着ける前は自分の髪質が嫌いすぎて「自分の髪の毛移植するくらいだったら髪質がいい人工毛植えたほうがよくね?」って考えていたのですが、医学知識を身に着けたうえでいろいろ考えると圧倒的に自毛植毛のほうがリスクが低いし安全で、しっかりと薄毛の改善が望めると思います。

自毛植毛というのは読んで字のごとく、自分の髪の毛を植える治療になります。

「自分の髪の毛植えたら、またハゲるんじゃないの?」という点が懸念点になりそうですが、実際植えた毛髪に関して、AGAの進行はほぼないです。


というのも自毛植毛は、AGAによる影響を受けにくい後頭部の頭皮からドナーとして毛包を採取しますので、適切な部位から採取して移植した毛髪に関してはAGAの影響がほぼ出ないのです。

手術なので頭皮に傷をつけることにはなりますが、手術の中ではかなり低侵襲(体への負担は少ない)手術にはなります。

ただし基本的には頭皮の毛髪の総数は限られているので、個人個人で移植できる本数の限界がある程度決まっています。

その限界量の中でAGAが進行した頭皮の面積を埋めていくことになるので、しっかりと綿密な計算のもとでの手術が必要になります。

手術の方法としては主にFUT法、FUE法という風に分けられますが、まぁ細かいお話はまたおいおいしていきます。

 

まとめ

・AGAの治療は薬物療法と外科治療に分けられる
薬物療法はフィナステリド or デュタステリドとミノキシジル
・フィナステリド、デュタステリドはAGA治療のベース
ミノキシジルは内服よりも外用薬(塗布薬)が推奨される
・外科治療は自毛植毛

 

当ブログのテーマ 

当ブログは実際にAGA治療を患者としても、医師としても実践しているDr. ハゲがリアルなAGA情報をお届けするブログです。

コンプレックスビジネスの闇と向き合い、市場の健全化をはかりながらコンプレックスの終着点を探していくことを目的としています。

当面の目標

色々と書いてきましたが、AGA患者としての立場から考えて、AGA治療は医学的なエビデンスの視点とコンプレックス要素によるQOLの視点という複合的な要素があるため非常に難しい医療だと感じています。
ただガイドラインに沿って薬を出すだけ、ましてやガイドラインにないエビデンスもろくにない高額な治療を、ろくな説明もせずに提供する悪徳なクリニックが多い中で患者さん側の需要をしっかりと満たせているクリニックがどれほどあるのかと考えてしまいます。

そんな中で業界の健全化をはかりたくて情報発信を始めました。


読者の皆様に良い薄毛ライフが訪れることを願って活動させていただきますのでよろしくお願いいたします!

※当ブログでAGA治療を謳った商品のアフィリエイトやクリニックの宣伝を行うつもりは毛頭ありません。業者様からのご連絡はお断りいたします。

※書籍の紹介の際などには一部amazonアフィリエイト等をつけさせていただく可能性もありますのでその際はそちらからご購入いただけると励みになります。よろしくお願いします!

薄毛の世界史 1900年代後半~現代まで ~AGA治療薬の誕生~

人類と薄毛の戦いの歴史

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

いよいよ今回は薄毛の世界史の最終回!

引き続き、人類と薄毛の戦いの歴史についてお話していきます。

前回の記事はこちら↓

 

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前回のまとめ

・西暦300年代頃~キリスト教によるかつらの糾弾により世の中から薄毛隠しの手段がなくなる
・西暦1000~1600年頃~イングランド王ヘンリー1世、フランスのルイ13世の影響によりかつら、ウィッグが流行。かつら泥棒が現れる。
・西暦1700年代頃~アメリカでもかつらが流行する
・西暦1800年代頃~多種多様な育毛剤(笑)の流行
・西暦1900年代前半~「帽子をかぶるとハゲる」という風説が流布する。産業革命により様々な薄毛治療機が開発される。
・西暦1939年~日本の皮膚科医、奥田正二先生が世界で初めて植毛のアイデアを検討

1900年代頃からようやく薄毛治療がしっかりと形になってきた感がありますね。
1900年代後半になってくるといよいよ本格的に薄毛に対して医学的な介入が入るようになります。

西暦1959年

この年代になってようやく医学による薄毛治療が日の目を浴び始めます。
そのきっかけは前回の最後に登場した奥田正二先生でした。

奥田正二先生は植毛のアイデアを世界で初めて提唱した人ですが、ノーマン・オレントライヒ医師というアメリカの医師が、奥田正二先生の理論を元に薄毛治療のために植毛の研究を進め、普及させました。

1961年までにノーマンは200件の移植を行い、1966年までに世界中でおよそ1万人の男性が植毛の治療を受けたと言われています。


こんな昔から植毛という技術は存在し、そこに救いを求める人がたくさんいたっていうのも驚きですよね。

現代においても植毛は手術になるので、二の足を踏んでしまう人が多い印象がありますが、1950~1960年代においてもそこ踏み切る人が大勢いたという事実がいかに薄毛のコンプレックスが強いものかを物語っていると思います

西暦1978年

この年、米国で臨床的にエビデンスがある最初の育毛剤が誕生しました。
ミノキシジルです。

ミノキシジルはこの以前から高血圧の治療薬として開発され、使用されていましたが、その副作用として多毛の作用があることが発見されたのです。

そしてさまざまな臨床試験が行われ、長い年月を経て、AGAの治療薬としての許認可がおりました。
その後、1988年になってミノキシジルローションはロゲインというブランド名で販売され始めます。

西暦1998年

1998年になると世界で2番目の臨床的にエビデンスがある育毛剤が誕生しました。
それがフィナステリドです。

また別の記事で治療に関しては説明しますが、フィナステリドはAGAの根本的な原因であるホルモンの代謝経路に作用することでAGAの進行を抑制させる薄毛治療の根幹ともなる薬です。

この錠剤により、脱毛の初期段階にある男性でも残っている髪をキープしたり、改善させることが可能になりました。

西暦2000年~現在

2000年以降、現在に至るまで明確に強いエビデンスのある新規の薄毛治療法はありません。
ただし、再生医療の分野で現在も多くの研究がなされています。
試験管内で人の生殖毛包細胞を増殖させ、それを頭皮に移植し、新しい毛包や新しい永久毛髪を成長させる技術や、成長因子の注入など、安全に今ある以上に毛包細胞を増やすことができれば単純にAGAで薄毛に悩む方以外にも応用できますからね。
早くそういった技術が実用化され、数多くの人がコンプレックスから解消されることを願うばかりです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

3回にわたって薄毛の世界史についてお話してきましたが、人類ははるか昔から薄毛と戦ってきたんですね。

 

 

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人は進化の過程で体毛を失ってきました。
それと同様に薄毛も進化の証という説もあったりなかったりしますが、やはりマイノリティかつ老化現象の一種でもあるため多くの人にとってはただのコンプレックスになってしまう現実があります。

そんな薄毛との戦いに終止符を打つ治療が完成し、「昔は薄毛で悩んでいる人が大勢いたんだよ」なんて笑い話にできる日が来るといいですね。

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当面の目標

色々と書いてきましたが、AGA患者としての立場から考えて、AGA治療は医学的なエビデンスの視点とコンプレックス要素によるQOLの視点という複合的な要素があるため非常に難しい医療だと感じています。
ただガイドラインに沿って薬を出すだけ、ましてやガイドラインにないエビデンスもろくにない高額な治療を、ろくな説明もせずに提供する悪徳なクリニックが多い中で患者さん側の需要をしっかりと満たせているクリニックがどれほどあるのかと考えてしまいます。

そんな中で業界の健全化をはかりたくて情報発信を始めました。


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薄毛の世界史 ~1900年代前半まで ~カツラ、育毛剤、育毛装置、そして植毛へ~

人類と薄毛の戦いの歴史

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

今回も前回に引き続き、人類と薄毛の戦いの歴史についてお話していきます。

前回の記事はこちら↓

 

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前回のまとめ

・紀元前3000年頃~アッシリア人シュメール人クレタ人、カルタゴ人、ペルシャ人、ギリシャ人などの上流階級の間で、"かつら"が流行
・紀元前1500年頃~エジプトで薄毛の治療薬の開発
・紀元前420年頃~ヒポクラテスが薄毛の治療薬を開発するとともに薄毛への外科治療を提案。「ハゲたくなかったら金玉を取りましょう。」
・紀元前44年頃~ユリウス・カエサル月桂冠で薄毛対策を始める

今回は前回以降のお話をしていきます!

300年代頃

時代は変わって西暦300年頃、ローマでキリスト教が広まると、教会はかつらを批判し始めました。

薄毛の治療薬も実質的には存在していなかった時代ですから、薄毛のコンプレックスへの対処法は基本的には隠すことしかないような時代です。

そんな時代ですが、キリスト教においては"かつら装着は破門"というくらい徹底的に糾弾されていたようです。


当時は教会が強い権力を持っていたこともあり、しばらくの間人類の薄毛隠しの歴史は刻まれないこととなります。

1000~1600年頃

時代はそこから数百年経過し、西暦1000年代、イングランド王のヘンリー1世が髪を切る代わりにウィッグをつけるようになったことからウィッグが再流行します。

このヘンリー1世に関しては薄毛隠しのためではなく、髪を切りたくなくてウィッグをつけていたとのことです。

確かに中世ヨーロッパの貴族のイメージはおしゃれでウィッグをつけているイメージが強いですよね。

ヘンリー1世


また、その後フランスでかつらが大流行したのは、ルイ13世が薄毛をカバーし、シラミから身を守るためにかつらを着用し始めたためと言われています。

それにならって他の宮廷人や上流階級の人々もかつらを身に着けはじめ、かつらは富と権力を象徴するようになったのです。

薄毛隠しを転用して富と権力の象徴としているあたりがうまいことやるなってかんじですよね。
薄毛を隠せて富と権力まで誇示できるとはいい時代だなぁと思います。

ルイ13世

 

また、ルイ王は40人ものかつら職人を抱え、床屋を除いてかつらをつけていないルイ王の姿を見ることは許されかったとも言われており、相当コンプレックスが強かったことが想像できますね。

さらにこの時代ではかつらの製作と維持(毎日香水と白粉をつける)にお金がかかるようになり、かつらは非常に高級品となってきます。

高級がゆえにかつら泥棒が出現し、かつらを奪って姿を消したというエピソードもあったようです。

かつら泥棒ってなんかシュールですが盗まれたほうは気が気じゃありませんよね。

1700年代

1700年代になると、アメリカの上流階級の人々も、自分たちの重要性と「階級」を高めるためにかつらを着用するようになりました。しかし、この「かつらブーム」は長くは続かず、アメリカ独立戦争とそれに続くフランス革命により影を潜めていくことになりました。

1800年

この時代には、数多くの薄毛治療薬が市場に出回り始めました。
そう、何の根拠もないインチキ育毛剤がめちゃくちゃ大量に発売されたのです。

さまざまな名前で様々な種類が発売されていたようですが、ものによってはアルコール、水、着色料だけで作られたりしていたものもあるとか・・・。

現代ではさすがにそこまでひどい例はなさそうですが、コンプレックスを弄ぶような商品、ビジネスが横行しているのは今も昔も変わりませんね。

大昔の育毛剤


また、イギリスでは冷たいインドティーを頭皮に塗って、そこにレモン汁を揉みこむという斬新な薄毛治療も行われていたようです。

冷静に考えると効きそうもないのですが、藁をもすがる気持ちで「良いと言われている方法」すべてを実践してみたくなる気持ちは痛いほどよくわかります。

1900年代

1900年代に入ると、「帽子をかぶると抜け毛が増える」という説が生まれました。

これは現代でも耳にすることがある説ですね。

この時代、都市部では多くの男性たちが毎日帽子をかぶって通勤しており、その男性たちの中に「ハゲてきた」と訴える人が多かったのです。

その結果として「日光浴」と「空気浴」をすることで、髪と頭皮を「呼吸」させるよう男性に呼びかけるようになったという経緯がありました。

頭皮が皮膚呼吸できないから!とかいうやつですね。

実際人間の酸素供給はほぼ肺呼吸で保たれていますし、帽子をかぶったところで帽子内の酸素濃度がそんなに下がるとも考えにくいです。

また、帽子をかぶることで例えば皮膚が炎症を起こすなどすれば部分的に抜け毛が増えて薄毛傾向になる可能性はありますが、実際多くの人が気にしている薄毛は男性型脱毛症=AGAですので帽子の有無は関係ありません。

まぁそもそも帽子をかぶってる人でハゲてない人も大勢いることから帽子がハゲの根本的な原因ではないってのはわかると思うんですが、何となくそれっぽい感に騙されちゃうんでしょうね(笑)

また、産業革命の時代には様々な育毛装置も発売されます。
装置による吸引力を使用して「頭皮を鍛え、血液を循環させ、縮んだ毛根に栄養を与え、髪を成長させる」という目論見の商品も発売されていました。

吸引装置を使用する様子

 

その後には電気を利用し、電気を帯びた櫛を頭皮に充てることで育毛を促す機器も発売されています。

電気櫛

なんか紫に光っててお洒落ですよね(笑)


1925年

1925年には静電気、磁気、熱、振動を利用して血行を良くし、毛穴の詰まりを取り除き、毛球に栄養を与えるという名目で「サーモキャップ」という装置が発売されました。

この機械は、熱と特殊なアクチニッククォーツ光線の青い光で、ハゲを治し、抜け毛を防ぐとうたったもので、これを1日15分使用し、加えて専用のトリートメントやシャンプーなどを塗布するよう勧められてました。

サーモキャップ




ですが結局これも何の治療にもならないことが分かってます。

なんかほんとにこの業界って今も昔もやってることあんまり変わらないですね。

1939年

この時代になるとようやく本格的に薄毛の治療に医学が介入し始めます。

植毛です。

しかも植毛技術は最初日本で開発されたといわれています。

1939年に日本の皮膚科医、奥田正二先生が日本皮膚科学会誌の中で、頭皮、眉毛、口ひげ、陰部から失われた毛髪の代わりに植毛グラフトを使用するアイデアを検討しました。

患者の後頭部から毛包を取り出し、その毛包を新しい場所に移植することに成功しましたが、第二次世界大戦のために西洋ではほとんど注目されませんでした。

そしてこれがその後にアメリカの皮膚科医であるノーマン・オレントレイヒに最初の植毛を行わせることとなったのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

1900年代に入ってくるとあからさまに人類の悪足掻き感が増してきてますね。

そしてようやく医療が薄毛の治療にメスを入れ始めました。

次回は1900年代後半から、薄毛の世界史をお伝えしていきます。

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当面の目標

色々と書いてきましたが、AGA患者としての立場から考えて、AGA治療は医学的なエビデンスの視点とコンプレックス要素によるQOLの視点という複合的な要素があるため非常に難しい医療だと感じています。
ただガイドラインに沿って薬を出すだけ、ましてやガイドラインにないエビデンスもろくにない高額な治療を、ろくな説明もせずに提供する悪徳なクリニックが多い中で患者さん側の需要をしっかりと満たせているクリニックがどれほどあるのかと考えてしまいます。

そんな中で業界の健全化をはかりたくて情報発信を始めました。


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薄毛の世界史 紀元前編 ~ハゲたくないなら金玉を取ろう~

人類と薄毛の戦いの歴史

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

今回はいつもと趣向を変えて、薄毛の歴史についてお話していこうと思います。

現代で薄毛に悩まれている方は僕も含めて大勢いらっしゃると思いますが、その人類の大きな悩みには、実は数千年前からの歴史があります。

太古の昔から髪型にはその人それぞれの個性があり、人間らしさや文明を想起させる強いメッセージ性や、イメージありました。

それゆえ昔の人々も、あらゆる功績を残してきた偉人たちでさえそのコンプレックスに悩み、戦ってきた歴史があるのです。


例えば人間性を奪う目的で、かの"ジャンヌダルク""マリーアントワネット"が処刑前に頭髪をそり落とされていたり、アウシュビッツに送られたユダヤ人が処刑前に頭髪をそり落とされたりしていた歴史からも、毛髪が示す人間性とそれを失っていくことへのコンプレックスがどれほどのものだったのか、想像に難くありません。


それではまずその歴史の始まり、紀元前のお話から始めていきましょう!

紀元前3000年頃

"人類 VS 薄毛"の歴史は紀元前にさかのぼります。



まずは紀元前3000年ころ、この時代は世界史的にはエジプトの初期王朝時代、シュメール文明の勃興、インダス文明の形成、日本史的には縄文時代の中期~後期にあたります。

そんな大昔の時代ですが、すでに薄毛や治療に関する医学的知識や神話が広まっていたという記録があります。

歴史上で目にするアッシリア人シュメール人クレタ人、カルタゴ人、ペルシャ人、ギリシャ人などの上流階級の間で、"かつら"が非常に流行しており、エジプトの労働者墓地から出土した男性の遺体の中には薄毛隠しのために羊毛で覆っているものが発見されている例もあるのです。

日本では土器を作り、弓矢や石器などで狩りをしていた時代から、人類が薄毛と格闘していたと聞くと感慨深いものがありますが、約5000年ほど経過した現在でもその治療法は完璧には確立されておらず、薄毛の人種が自然淘汰されていないというのもまた面白いですね。

また、この時代は治療というよりも薄毛をごまかすといった対策がメインで行われていたようです。

今も昔も薄毛は治すか隠すかという視点はあまりかわらないんですね。

紀元前1500年頃

紀元前1550年ころに書かれたといわれる、エジプトのルクソールで発見された"エベルス・パピルス"という世界最古の医学書にも抜け毛治療に関する情報が含まれていました。

(イメージ図)

酸化鉄、赤鉛、タマネギ、アラバスター、蜂蜜、ヘビ、ワニ、カバ、ライオンなどさまざまな動物の脂肪を混ぜ合わせたものを薄毛部分に塗って治療していたそうです。

治療というにはお粗末な印象を受けますが、現代の発展した医学知識や技術も何もない中で悪戦苦闘してひねり出した治療法だったのでしょう。

この薬は、太陽神に祈りを捧げた後に飲むものだったようなのですが、明らかに身体に悪そうですし、どういう根拠でこの調合を薬として使っていたのか少し興味深いですね。

エジプトにおいては先ほどの通り、紀元前3000年以前からも薄毛対策がなされていましたので

最も古くから薄毛と戦い続けてきたのはもしかしたらエジプト人なのかもしれません。

紀元前420年頃

そしてさらに約1000年ほど経過した紀元前420年頃、医学の祖とも言われたかの有名なヒポクラテスも薄毛の治療に手を付けていました。


ヒポクラテスは、アヘン、ワサビ、鳩の糞、など様々なスパイスを混ぜて治療ができると考えていたようです。

これもどういった根拠で治療に用いられていたのかは全く分かりませんし、鳩の糞を塗るなんて考えたくもありませんが、当時おそらく世界で一番発展した医療知識、技術をもってしても焼け石に水的な対処法しかなかったんですね。

ヒポクラテス自身も昔の肖像画等を参照すると典型的なAGAの髪型をしていますので、おそらくその治療法の開発にはかなり心血を注いだことが予想されます。

ただ、ヒポクラテスの発案した薄毛に対する対策は上記にとどまりません。


ヒポクラテスはおそらく人類で初めてAGAに対して外科的治療を提唱した人物なのです。


現代ではAGAに対する外科的治療は植毛での治療ですが、ヒポクラテスの提唱した外科的治療は




"去勢"





でした。



ヒポクラテスは、ペルシャ軍の宦官が禿げ上がっていない事実に基づき、男性ホルモンや性欲と薄毛との間に関連性を導き出したのです。

そして、禿げ上がった男性にその代償として、去勢することが抜け毛に対する究極の解決策になると提案したのです。


ヒポクラテスさん頭良さげなのですが、さすがにそれは・・・。


現代の医学から考えるととんでもなく恐ろしい話ですね。

でも僕自身も本気で薄毛に悩んでいた思春期時代は「ハゲるくらいなら金玉取ったほうがいいかもしれないなぁ」とか真剣に考えていた時期がありました。


コンプレックスって本当に恐ろしい。


ただ実際にヒポクラテス自身も去勢はしていない事実から鑑みるに

「薄毛治療をするために去勢をするというのはさすがに・・・」という考えの人のほうが多かったのかもしれませんね。

紀元前44年頃

そしてまた数百年の月日が経過した紀元前44年頃、古代ローマでは、髪は権力と男らしさの象徴とされていました。

その中で当時のローマの指導者であったユリウス・カエサルもAGAだったといわれています。

↑生え際がやや後退していますね

彼は男性型脱毛症に悩まされていたため、様々な医師を雇って治療法を探したそうです。

まぁ何せ権力と男らしさの象徴ですからね。

カエサルは、ネズミや馬の歯、熊の油、鹿などを混ぜたローションや薬を塗って治療を行っていましたが、一向に改善する気配はなく、月桂冠を被ることで薄毛隠しを行っていました。

 

月桂冠でのハゲ隠し

そして帝国が拡大するにつれて、月桂冠は髪ではない権力の象徴となっていきました。

権力者でさえ薄毛には抗えないというのは今も昔も変わりませんね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

人類と薄毛との戦いには数千年にわたる歴史があるんです。

現代社会ではある程度AGA治療のエビデンスも出てきており、しっかりとした治療薬も存在していますのでこの数千年の中で人類は大きく進歩したんだなぁと実感できますね。

次回はこの続きの人類 VS 薄毛の歴史をお話ししたいと思います。

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AGAはどうやって診断するの?

AGA診断の不思議

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病歴聴取が大切!

AGA=男性型脱毛症の診断には、まず病歴聴取が大変重要になってきます。

AGAはアンドロゲン(=男性ホルモン)依存性の進行型の脱毛です。

ですから、もともと毛髪の密度が低い方や、若い方で生え際の毛髪の分布が生理的に変化するタイミングの方もいらっしゃるので、そういった方はAGAとは言えません。

そして急速な脱毛の進行や、痒み、痛み、その他皮膚症状などを伴う脱毛は他の皮膚疾患に併存した脱毛の可能性もあるためです。

また、前回お伝えした通り遺伝性がありますので、家族歴の聴取も大切になります。

 

前回の記事↓

 

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今後記事にしていく予定ですが、そのような病歴聴取をしっかりと行わず、AGAの診断がつかない方に対してカウンセラーが治療プランを決定し、ドクターが後付けでそれっぽく診断をするろくでもないAGAクリニックも多々あります。

僕自身も実際勤務するまで内情がわからず、そういったクリニックでスポットでバイトをしたことがありました。
担当した患者さんにはできる限り誠実に対応させていただき、治療の必要性等に関してしっかりと説明させていただきました。

カウンセラーさんにも嫌われると厄介なので、とりあえずごまかしながらできる限り不要な治療はしない方向にもっていってましたが、次第にスポットバイトの依頼が来なくなったのは言うまでもありません笑

この辺の闇が深いお話は今後もう少し深堀りしていこうかと思います。

毛髪、頭皮のチェック

加えて必要なのは頭皮と毛髪のチェックです。

基本的にはAGAの分布に一致している毛包の小型化を確認できれば診断が確定します。

ダーモスコープと呼ばれる拡大鏡でのチェックも有用です。

毛髪に対しての拡大鏡でのチェックはトリコスコピーとも呼ばれます。

 

※イメージ図


しっかりと頭皮を拡大して観察すると毛径の不均一化、毛孔周囲の色素沈着、黄色点、また場合によって局所的な無毛症(毛が完全にない小さな領域)などのAGAの特徴が認められます。

頭皮の生検

生検というのは病変部の組織を採取して、顕微鏡で確認する作業です。
AGAの病変部の組織には病理上いくつかの特徴があるので検査として有効ではありますが、基本的にそこまでやることはまずありません。

 

まとめ

・AGAの診断には病歴聴取が大事
・本当にAGAなのか診断できるドクターを選びましょう

・頭皮、毛髪のチェックも大切

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※当ブログでAGA治療を謳った商品のアフィリエイトやクリニックの宣伝を行うつもりは毛頭ありません。業者様からのご連絡はお断りいたします。

※書籍の紹介の際などには一部amazonアフィリエイト等をつけさせていただく可能性もありますのでその際はそちらからご購入いただけると励みになります。よろしくお願いします!

AGA(男性型脱毛症)って本当に遺伝するの?

前回のまとめから

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

前回は主にAGA=男性型脱毛症にどの男性ホルモンがどう作用しているのかをメインにお話しさせていただきました。

前回のまとめとしては

・AGAは男性ホルモンが原因で起きる遺伝性の疾患です!

・ジヒドロテストステロンが髪に悪さをしているよ!

・5α-リダクターゼっていう酵素がジヒドロテストステロンを作るからその酵素を阻害することで治療もできるよ!

ってことでしたね。

今回も前回に引き続きAGA=男性型脱毛症の発症機序についてまとめていきます!

今回はホルモンの受容体についてと、AGAの遺伝性についてです!

読むのが面倒な人はまとめだけ読んでくださいませ!

 

男性ホルモンの受容体について



ちょっと専門的な話になるのでついてこれる人はついてきてください。
よくわからない人は鼻ほじってスルーしててください。

前回は主にホルモンのお話をさせていただきましたが、今回はその受容体のお話から。

そもそも受容体って??って思った方もいますよね。

体の中では男性ホルモンも含めてホルモンという様々な機能を持った物質が作られています。

ホルモンは身体の特定の器官で作られて、それが体内を循環して別の細胞で効果を発揮するというものです。

まぁ簡単に言うと体中のいろんなところに指示を出すお手紙みたいなものですね!

例えば有名どころで言うと"インスリン"というホルモンがありますね!

"インスリン"はすい臓で作られて血中をめぐり、全身の細胞の受容体に作用することで、血液中のブドウ糖を取り込んで血糖値を下げる働きをします。

すい臓が"インスリン"という「ブドウ糖をとりこんでください!」っていう内容のお手紙を全身の細胞に出すんですね。

そしたら全身の細胞が「おかのした!」

と言って血液中のブドウ糖を取り込んで血糖値を下げてくれます。

そのお手紙を受け取る部分が受容体ってことです。

つまり受容体っていうのは、そのホルモンが効果を発揮するときにそのホルモンを受け取る部分の事で、ホルモンがあっても受容体がなかったらホルモンは作用できないのです!

AGAの若い男性は、薄毛でない人の頭皮に比べ、細胞内の5αリダクターゼのレベルが高くアンドロゲン受容体の量も多くなっているという報告があります。

ようはAGAの人は5α-リダクターゼがテストステロンをジヒドロテストステロン(髪の毛に悪さするやつ)にめっちゃ変換するし、髪の毛もジヒドロテストステロンを受け入れて弱くなりまくるよ!ってことです。


AGAは遺伝するの?

よりミクロ的にAGA発症の原因を突き詰めると、遺伝子のお話になってきます。

AGAは遺伝性といわれている報告も多くあります。

AGAと無関係に皮膚科で行われた研究では、薄毛の父親を持つ男性はそうでない人と比較して5倍以上AGAのリスクが高いという報告もあるくらいです。

また、実際にAGAに関与するであろう遺伝子も同定されているということもあり、遺伝性があるのはある程度明白です。

個人的にちょっと面白いのが、X染色体上の遺伝子もAGAに関与するものが同定されているところです。

男性は性染色体の配列がXYなので、X染色体は基本的には必ず母親から遺伝されます。

女性の性染色体の配列はXXとなります。

もしその母親の父親がX染色体上に薄毛遺伝子をもっていた場合、母親の持っている2本のX染色体の少なくとも片方は薄毛遺伝子を持ったX染色体となるわけです。

そしてその2本のX染色体の片方が男の子に遺伝していくと考えると。。。

あとはわかりますね?

AGAは母方の遺伝を受けやすいというイメージが世間的にはあると思いますが、その原因はもしかしたらこのX染色体上の遺伝子かもしれませんね。

実際AGA治療で患者さんに接すると薄毛の家系の方が多い印象を受けます。

ドクターおはげさんも母方の家系が薄毛どころかつるっぱげ家系です:)

 

まとめ

・AGAの人は5α-リダクターゼがめっちゃ作用するし、髪の毛も男性ホルモンの影響を受けやすくなってるよ!

・AGAは遺伝性で、一部同定されている遺伝子もあるよ!

当ブログのテーマ 

当ブログは実際にAGA治療を患者としても、医師としても実践しているDr. ハゲがリアルなAGA情報をお届けするブログです。

コンプレックスビジネスの闇と向き合い、市場の健全化をはかりながらコンプレックスの終着点を探していくことを目的としています。

当面の目標

色々と書いてきましたが、AGA患者としての立場から考えて、AGA治療は医学的なエビデンスの視点とコンプレックス要素によるQOLの視点という複合的な要素があるため非常に難しい医療だと感じています。
ただガイドラインに沿って薬を出すだけ、ましてやガイドラインにないエビデンスもろくにない高額な治療を、ろくな説明もせずに提供する悪徳なクリニックが多い中で患者さん側の需要をしっかりと満たせているクリニックがどれほどあるのかと考えてしまいます。

そんな中で業界の健全化をはかりたくて情報発信を始めました。


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AGA(男性型脱毛症)はどうやって起きてるの?

薄毛地獄=AGAってどうやって起きてるの?

どうもこんにちは。ドクターおはげさんです。

ここを見ているということはあなたも少なからず薄毛治療に興味がある人なはず!
実際悩んでいる人も多いはず!

という独断と偏見を元に今回はちょっと専門的なお話をすすめます。

読むのが面倒な人はまとめだけ読んでくださいませ!

"AGA=男性型脱毛症"はどうやっておきる?


ちょっと専門的な話になるのでついてこれる人はついてきてください。
よくわからない人は鼻ほじってスルーしててください。

まず、「AGA=男性型脱毛症は、アンドロゲン依存性であり、遺伝的素因が必要である」と考えられています。
アンドロゲンっていうのはざっくり言う男性ホルモンの総称の事ですね。
要するに「AGAってのは男性ホルモンによっておこる遺伝性の疾患だよ」ってことです。
おそらく薄毛、AGAで悩んでいる人は「そんなん知っとるわ!」と思うかもしれませんが、ここからさらにちょっとだけ踏み込むのでもう少しお付き合いください。

AGAの病態の中では重要な3人の登場人物がいます。
それがテストステロンジヒドロテストステロン5α-リダクターゼです。


アンドロゲンの中にはテストステロン、ジヒドロテストステロン、アンドロステロン、アンドロステンジオンなどの種類があるのですが、その中でAGAにとって重要なのがテストステロンジヒドロテストステロンの2つです。

ちょっと一気にカタカナが並んで意味が分からなくなってきましたね。
とりあえずテストステロンジヒドロテストステロン5α-リダクターゼの3つだけ抑えといてください。

簡単に箇条書きすると

・テストステロン:主要な男性ホルモン
・ジヒドロテストステロン:テストステロンの強力な代謝
・5α-リダクターゼ:テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する酵素

って感じです。


ジヒドロテストステロンとは?

ジヒドロテストステロンってのはテストステロンの強力な代謝物で、テストステロンより男性ホルモン受容体への親和性がより高くなってます。
これが毛乳頭の男性ホルモン受容体に結合した結果、軟毛化が起こると言われています。

そう。こいつが悪さしてるんです。



要するに主要な男性ホルモンであるテストステロンを5α-リダクターゼっていう酵素がジヒドロテストステロンという悪者に変換して、それが髪の毛の毛乳頭っていうところにくっつくと髪の毛が弱くなっちゃうんです。

ジヒドロテストステロン恐るべし!

5α-リダクターゼとは?

5α-リダクターゼについてももう少し細かく説明しておきましょう。

5α-リダクターゼは1型と2型の2つの種類が存在していて、どちらの型も男性型脱毛症に関与していますが、2型のほうがAGAにとっては重要といわれています。

2型は主に毛包の外根鞘、副睾丸、精管、精嚢、前立腺に存在していて、1型は皮脂腺、表皮および毛包のケラチノサイト、皮膚乳頭細胞、汗腺に存在するものなのでこの局在からも2型のほうが重要そうな感じがしますよね!
また、5-αリダクターゼの重要性は、5-αリダクターゼ2型遺伝子に変異を持つ男性に、男性型脱毛症がないというデータもあるので5-αリダクターゼはめっちゃ重要です。

AGAについて興味がある人はフィナステリド、デュタステリドという名称を聞いたことがあるかもしれませんが、これらは5-α-リダクターゼを阻害するくすりです。
なのでこれがAGAに有効な治療法となるのです!

まとめ

・AGAは男性ホルモンが原因で起きる遺伝性の疾患です!

・ジヒドロテストステロンが髪に悪さをしているよ!

・5α-リダクターゼっていう酵素がジヒドロテストステロンを作るからその酵素を阻害することで治療もできるよ!

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当面の目標

色々と書いてきましたが、AGA患者としての立場から考えて、AGA治療は医学的なエビデンスの視点とコンプレックス要素によるQOLの視点という複合的な要素があるため非常に難しい医療だと感じています。
ただガイドラインに沿って薬を出すだけ、ましてやガイドラインにないエビデンスもろくにない高額な治療を、ろくな説明もせずに提供する悪徳なクリニックが多い中で患者さん側の需要をしっかりと満たせているクリニックがどれほどあるのかと考えてしまいます。

そんな中で業界の健全化をはかりたくて情報発信を始めました。


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